2017年3月26日日曜日

blooming, buzzing confusion

ウィリアム・ジェームズが『心理学原理』の中で「blooming, buzzing confusion」という言い方をしている箇所があるらしい。赤ちゃんの経験しているだろう知覚世界を引き合いに出して、感覚印象が多種多様でとりとめがない様を指してこう言っているとのこと。

日本語で何と訳すべきかよく分からず調べてみたのだが、英語ではよく引用される有名な表現らしい。こんなページが見つかった。いやぁ、恥ずかしながら知らなかった。
The "blooming, buzzing confusion" of William James

で、Principles of Psychologyの488ページにあることがわかったので、岩波文庫版の『心理学』で対応箇所を探してみたら…ない。うーん、こういうのは痛い。邦訳は1890年の『原理』ではなくて1892年に発表された『要録』なのでしょうがないといえばしょうがないが、ジェームズの残したフレーズとして英語では有名になっているものが日本語で参照できないのはまずいだろう。

と思ってもう少し調べてみたら、あったあった、仮訳してるページ。ひとつはこんなページ。「花盛りでガヤガヤした混沌」になってますな。もうひとつはこんなページ。「無茶苦茶な、騒々しい混乱」ですって。

どっちもイマイチしっくりこないので考えました田中訳。「ひどくやかましい混乱」でどうでしょう。「ひどく」のところはbloomingなので、花がいっせいに開花するようなイメージを持たせたもっといい訳ができそうですが。