先ほど協同医書のホームページに掲載されたばかりです。いつもは出版社の公式ページに載るより早くアマゾンにページができるのですが、今回はアマゾンに勝ちました(笑 だいたいいつもゲラの校正をやっている段階でアマゾンにページができるのですが、本書は校正も終わっていますし書影も先に出ているので、完勝ですね。
今回は、作業療法士の本田慎一郎さんとの共著です。冒頭1/3ぐらいが第一部で、身体性と自己をめぐる田中のレクチャーになっています。残り2/3が第二部で本田さんとの対談で、第一部の内容を実践的に深められる構成になっています。
以下、部分的にホームページから転載しますが、
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『豚足に憑依された腕 -高次脳機能障害の治療-』の著者、セラピストの本田慎一郎と、『生きられた〈私〉をもとめて -身体・意識・他者-』の著者、哲学者の田中彰吾によるリハビリテーションと現象学との実り豊かなコラボレーション!
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まさにこういう内容の本です。
生きられた身体、身体図式と身体イメージ、ミニマルとナラティブ、エナクティビズム、間身体性など、現象学とリハビリテーションを結ぶうえで重要なキーワードになりそうなポイントをめぐって対談が進展しています。ちょうど、JST-CRESTのプロジェクトで、認知神経科学・リハビリテーション・現象学を結ぶ「ナラティブ・エンボディメント」が進行中ですので、その最初の成果と言ってもいいかもしれません。
ところで、本田さんとの出会いは2018年の認知神経リハビリテーション学会に遡ります。懇親会でたまたまご一緒してあれこれ話し込んだのが最初だったのですが、セラピストになるまで&なってからの本田さんの過去の経緯を聞いているうちに不思議な感慨を覚えました。私は彼とは表面上はまったく違う人生を送ってきたのですが「ああ、あの時自分もこの選択ではなくあの選択をしていれば彼のような人生を過ごすことになっていたのではないか〜」という感慨です。言ってみれば、「このような生き方をすることもありえたもう一人の私」ですね。
本田さんの質問によって、リハビリテーション領域の皆さんにとって普段は聞きなれない哲学の概念がかなりわかりやすく伝わる構成になっているのではないかと思います。逆に現象学にとっては、それが生きた哲学になるかどうかが試される現場こそリハビリテーションにあるように思います。
どうぞお楽しみに。