2017年11月7日火曜日

読書会を開きます

アマゾンでは1ヶ月前ぐらいからページができていたのですが、もうすぐ、神経科学〜身体性認知〜現象学にまたがる学際領域で非常に重要な本が出版されます。トーマス・フックスによる『Ecology of the Brain(脳のエコロジー)』です。
 
 
アマゾンでは発売日が12月14日ということになっています。田中は一足お先にゲラを拝見しました。出発点になっているのは、人が知覚している世界を脳内の表象に還元する見方への批判です。身体を含む有機体全体の一部とし脳を位置づけると、身体と環境の相互作用、自己の身体と他者の身体の相互作用、人々が共有する文化的世界へのアクセスなど、脳は、生命体としての人と世界とを「媒介する器官(mediating organ)」として理解し直す必要がある、という主張が基調のようです。このような見方が、どの程度、現在の神経科学の個別の知見と整合的に、あるいはそれへの説得力のある批判とともに語られているのかが、本文の評価にかかわるポイントになりそうです。
 
いずれにしても重要な本なので、12月から月1回1章ずつぐらいのペースで、オンライン読書会を開いて読むつもりでいます。参加をご希望される方は、田中までお問い合わせください。