宮原さんと翻訳したコイファー&チェメロ『現象学入門-新しい心の科学と哲学のために』(勁草書房・2018年)の刊行から1年がたちました。先日、担当の編集者だったDさんから売行きについてご連絡をいただきました。あまり細かい数字は書けませんが、刊行から1年で1100部ほど売れているそうです。
ご購入いただいたみなさま、ありがとうございます。入門書とはいえ、この手の哲学書は平均的には数年で2000部ぐらいしか売れないものなので、予想以上に多くの方に手に取っていただいたことを嬉しく思っています。
ちなみに、昨日・一昨日と著者の一人アントニー・チェメロさんに初めてお会いしました。立教大学で開かれた「Radical Embodied Cognition」というワークショップでご一緒したのですが、さすがに自分で訳したいと思った本の著者だけあって考え方も近く、意気投合する出会いでした。
そのとき彼から聞いたことの中には、本書のバージョンアップ情報も含まれていました。本書は英語版も評判が良かったらしく、共著者のコイファーさんと第二版を準備しているそうです。今までにあるようでなかったタイプの入門書で(例外はギャラガー&ザハヴィの『現象学的な心』ですが、こちらは入門書というほど読みやすくありませんでした)、心の科学の未来を開く視点で現象学を紹介しているので、わくわくしながら読んだ読者が多かったのではないでしょうか。
第二版、もちろん日本語に訳して紹介したいところではありますが、実現するにはこのまま順調に売れ続けてくれないと難しいのかもしれません。引き続き、みなさまのご声援をいただけると幸いです。
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