研究アーカイブのページに以下の資料を追加しました。
この本の10章、久々に読み返しました。現象学をベースに、心理学、神経科学、発達、精神病理との関連で自己に関する議論がコンパクトにまとまっています。ナラティヴ・セルフについて考える手がかりが欲しくて読み直しましたが、どちらかというとミニマル・セルフの問題のほうが中心ですね。
ちなみに、いま・ここで進行中の経験にともなう「わたし」という感じ(自己感)は、もうすぐ出版される私の著作のテーマでもあります。経験にともなう自己(生きられた自己)は、経験をふりかえって反省するととたんにつかまえどころがない感じがしてきますが、進行中の経験においては「主体感 sense of agency」や「所有感 sense of ownership」を通じてちゃんと成立しています。これは、そうそう簡単に壊れることのない(たぶん有機体のものすごく基礎的な次元が壊れない限り壊れることがない)、とても強靭な自己です。
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