こんにちは。
7月末に販売された拙訳、コイファー&チェメロ『現象学入門』ですが、勁草書房編集部のサイト「けいそうビブリオフィル」で冒頭の「序」が読めるようになりました。
あとがきたちよみ『現象学入門』
6ページの短い文章に、本書のサブタイトル「新しい心の科学と哲学のために」を凝縮したような内容が記されています。逆に、普通の現象学入門に期待されるけれど、本書には書かれていないことについても、この序で明記されています。
ちなみに、序には、私が原著で読んだときに思わず顔がほころんだ(うれしくて)一文があります。
「あなたが現象学を学ぶべき最も簡単な理由は、すべての人が現象学を学ぶべきだからである。」(The simplest reason one should study phenomenology is because everyone should. )
こんなに強烈な価値判断に満ちた一文をさらっと書けてしまうのって、なかなかすごくないですか? これがたんに著者らの現象学に対する偏愛だったなら、この本をわざわざ訳したりはしなかっただろうと思います。
本書は、現象学の古典的な考え方について、現代の視点からフェアに評価しつつも、そこに流れている新たな可能性(とくに身体性認知科学に連なる)を拓こうとしています。ぜひ上記サイトにお立ち寄りください。
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