田中彰吾・浅井智久・金山範明・今泉修・弘光健太郎(2019)「心身脳問題ーーからだを巡る冒険--」『心理学研究』doi.org/10.4992/jjpsy.90.18403(12月発行予定の90巻5号に掲載予定です)
リンクからPDFをダウンロードできますので、ぜひご覧ください。この論文は、2018年3月に開催した国際シンポジウム「Body Schema and Body Image」からのスピンオフです。浅井さん、金山さん、今泉さん、弘光さん、それぞれに発表いただいた内容を私のものと合わせて1本のレビュー論文としてまとめました。
共著者の皆さんとは2015年から折に触れて研究会を開催しながら議論を重ねてきたのですが、それがこうして論文にまとまるのは、とても感慨深いものがあります(皆さんありがとう)。全員依拠する分野が少しずつ異なっていますが(実験心理〜神経生理〜神経心理〜哲学)、身体に関心があって、身体と脳の関係を理解し、身体・運動から見えてくる自己を解明しようとする点では共通の問題意識を持っています。議論をすると時間を忘れて熱中することもしばしばです。そんなメンバーで共著論文を書くのは、とても刺激的な経験でした。
内容は、19世紀末に始まった身体意識研究の歴史的展開を振り返り、理論的展開をたどりつつ、現代の科学的研究に接合することを企図しています。Body SchemaとBody Imageが鍵になる概念として登場しますが、身体所有感、運動主体感、(ミニマルな)自己とのつながりも論じています。心身問題ではなく「心身脳問題」という術語も、このあたりの問題意識を示唆するこの論文ならではの工夫になっているかと思います。
多くの人が参照してくれるレビュー論文になってくれることを祈りつつ、世に送り出したいと思います。
た
内容は、19世紀末に始まった身体意識研究の歴史的展開を振り返り、理論的展開をたどりつつ、現代の科学的研究に接合することを企図しています。Body SchemaとBody Imageが鍵になる概念として登場しますが、身体所有感、運動主体感、(ミニマルな)自己とのつながりも論じています。心身問題ではなく「心身脳問題」という術語も、このあたりの問題意識を示唆するこの論文ならではの工夫になっているかと思います。
多くの人が参照してくれるレビュー論文になってくれることを祈りつつ、世に送り出したいと思います。
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