2020年5月2日土曜日

禍いの4月

今年度の大学は一斉に遠隔授業を取り入れる方向で動いています。もちろん、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて。4月は結局その対応にふり回されて終わってしまいました。

教務関係の主任を今年も引き受けている関係で、この4月は、現在の所属先に着任して以来もっとも大学の校務が多かったのではないかと思います。まさに「コロナ禍」という言葉がぴったりでした。

記録をかねて、ふり返っておきます。

3月30日:所属先の現代教養センターの科目担当教員に連絡。この時点では授業開始が4/24に後ろ倒しになっただけで、通常通り教室で開講する予定でした。いわゆる「三密」を回避する授業運営を依頼。

4月3日:授業開始がさらに後ろ倒しになり、5月11日開始が決まりました。また、遠隔授業に変更になる可能性を初めて担当教員に通知しました。ただ、この時点ではまだ正式決定ではありませんでした。

4月9日:学内で6日に春学期授業をすべて遠隔にすることが決まり、それに合わせてセンターとしての対応方法をとりまとめ、メールを配信。使用するシステムについてはこの時点では決定できず、その前に、授業回数、定期試験、大人数クラスの履修制限など、大枠の対応について連絡。

4月17日:これまで学内で利用されてきたオンライン・システムを利用して遠隔授業を実施する方針でマニュアルを作成し、配信。この頃、他大から既存システムがダウンした話が複数入ってきており、学内でも調査が始まる。

4月22日:遠隔授業が決まって初の教授会。まぁ、ご多分にもれず授業運営方法についてあれこれ質問が出ました。教授会は3時間ぐらいの長丁場でした(見方によってはそれでも短かかったのかも)。教授会ももちろん遠隔ですが、この時点ですでに数十時間は教務関係者と遠隔で会議をこなしていたので、これといって新鮮味もなく。

4月25日:既存のシステムがアクセス過剰でダウンするだろうという学内の検討結果を受けて他のシステムを利用する方法を模索。マニュアルの改訂準備に着手。

4月28日:既存のシステムは利用時間に制限が加わるとの通知が学内で配信される。学生のアクセスは学部ごとに週2回に制限されるとのこと。

5月1日:既存システムに加えてMicrosoft Teams等の代替手段を確保するよう依頼する改訂版の遠隔授業マニュアルを配信。細々とした変更が多数あって、作るのに苦労しました。

主な日付を並べましたが、各日付のあいだに複数の打ち合わせ、会議、セミナーが随時Teamsで入る過密スケジュールの4月でした。

愚痴ですが、今月の私の月給は、時給に換算すると最低賃金をかなり下回ると思います。失職するよりはマシですが、労働時間が異常に長くて「社畜」という言葉が初めてわが口を突いて出てきた4月でした。優秀で事務処理能力もきわめて高い同僚の教務関係者たちに支えられても、このありさまですからね。

遠隔授業の導入でこれだけ振り回されると、さすがに3月以前の世界がはるか遠くに感じられます。それに、大学の現場もこれだけの変化を経験すると、コロナ以前の世界に単純に戻ることはないでしょう。今後、遠隔授業を実践しながら、変化の方向を見極めたいと思っています。

ところで、こんな渦中でも4月に共著の原稿を20000字くらい書き進めました。自分を褒めてやりたいと思います。