新しい認知科学の可能性に関心がある方にとっては、面白い内容を多々含むものになっていると思います。サブタイトル「心と身体を世界につなぐ第三世代の認知科学」がそれを物語っていると思います。
ちなみにアマゾンの表示で編者の鈴木宏昭先生の名前が「宏招」と間違って表示されていますが、なぜなんでしょうか。
田中も分担して1章寄稿しました。
田中彰吾「ポスト身体性認知としてのプロジェクション概念」(2章)
他の章の多くは学会誌『認知科学』でプロジェクション・サイエンスの特集が組まれたときの原稿を増補したものですが、田中は書き下ろしで新たな原稿を寄稿しました。「プロジェクション」という概念に託して、身体性認知科学の未来について考えています。あえて「ポスト身体性認知科学」という言葉を使ってみました。
短期間で一気に書いたものなので雑な箇所も残っているかもしれませんが、従来の身体性認知科学が陥っている現状を超える手がかりについて、ストレートに考察する論考になっています。この原稿を出発点にして、今後もっと「ポスト身体性認知」に連なる研究を進められればと思います。
身体性の問題だけでなく、「プロジェクション・サイエンス」は意味や価値という従来の認知科学がうまく扱ってくることができなかった重要な問題を多々扱っています。今後の展開に期待が持てる分野になりそうですよ。
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