2020年11月8日日曜日

久々にジェームズ

 …の自己論を読み直しました。10年ぶりぐらいでしょうか。やっぱり面白いですね。ジェームズは哲学も心理学もわかっていた稀有な人だなと改めて思いました。自己を「主我(I)」と「客我(Me)」にわけて論じているのですが、客我のほうは経験的な自己をめぐる心理学的考察になっていて、主我のほうは超越論的自我に連なるような(実際にはそれを批判していますが)哲学的考察になっています。フッサールなら前者は現象学的心理学、後者は超越論的現象学というかたちで厳密に区別されてしまいそうですが、それを区別しながらも同じ章で論じられてしまうところにジェームズのジェームズらしさがよく現れているように感じました。

ああ、思い出した。2013年に日本心理学会で「自己へのエンボディード・アプローチ」というシンポジウムを企画したときに予習としてジェームズの自己論を読んだのでした。10年も経っていませんでしたね。歳をとったせいか、過去の出来事がいつ起こったのか、認知があいまいになっているようです。

というわけで以下レジュメへのリンクです。

W・ジェームズ (1892/1992).「自我」今田寛訳『心理学(上)』(第12章)岩波書店