2017年7月30日日曜日

しばらくの間、

ツイッターのアカウントを閉じることにしました。
 
もうすぐ帰国せねばならないせいか、ここ数日、帰国後の自分の生活が断片的に思い浮かぶことが増えています。それ自体はいいのですが、問題は中身。なぜかネガティブなシーンばかりなのです。長時間の会議にイラついている姿、授業のコマ数が多くて疲れている姿、問題学生への対応でうんざりしている姿、など。職場がらみの、いやな感じの場面が多いです(同僚に叱られそうですが…)。
 
こちらで過ごした時間がとにかく充実していたので、それとのコントラストでこの先の生活が思い浮かんでもポジティブな連想にならない、ということなんでしょう。心のはたらきはそういうものです。認知活動にもゲシュタルトがあって、ある背景のうえではじめて連想が図になって現れてきます。
 
それで、そういう場面のひとつとして、愚痴をツイートしている自分の姿が何度か浮かんできたので、そんなことに使うんだったらアカウントを閉じちゃってもいいのでは、と思いついた次第。研究会とか本の告知のこともあるので元に戻すかもしれませんが、それ専用に別アカウントを始める手もあるので、しばらくこの状態を試してみます。
 
なお、このページは今まで通りなのでよろしくお願いします。
 

 

2017年7月27日木曜日

国際理論心理学会での企画3

さらに前記事への追加です。
国際理論心理学会(ISTP 2017)の二日目、8/22夕方に下記のシンポジウムがあります。
 
8/22(火):17:15-19:15, Room A1203
[Symposium 22]
  Locating the bodily borders of individuality
[Organizer]
  Luca Tateo (Aalborg University)
[Presenters]
  Lívia Mathias Simão (University of São Paulo)
  Shogo Tanaka (Tokai University)
  Giuseppina Marsico (Aalborg University / University of Salerno)
  Jensine I. Nedergaard (Aalborg University)
  Zachary Beckstead (Brigham Young University-Hawaii)
[Discussant]
  Jaan Valsiner (Aalborg University)
 
この企画はデンマークのオールボー大学の先生方による企画です。自己と他者の境界、主観性と他者性の境界、個体性と集合性、こうしたものの起源として身体経験を理解する試みです。田中も見る-見られる、触れる-触れられる経験をもとに身体の間主観的次元について話そうと思っています。
 
このシンポ、内容もそうですが形式面で面白さがある企画かもしれません。枠が2時間でスピーカーは5人いるのですが、プレゼンは1人10分のみ、話題提供を1時間以内に抑え、あとは会場との討論に1時間を割くというタイムテーブルになっています。

オーガナイザーのタテオ先生はみんなで濃く議論する感じを狙っていて、話題提供者の理論的背景もけっこう散らしてあるので、混沌として結論の出ない流れになるかもしれません。ただ、その分、自分の考えをぶつけてフロアの議論に参加した人には、得るものも多い議論になると思われます。身体性に関心のある方はぜひ会場にお越しください。
 

 

2017年7月22日土曜日

国際理論心理学会での企画2

※8/5記:大会プログラムに変更があり、この企画は8月25日、13:30-15:00に変更になりました。
 
 
前記事への追加です。
国際理論心理学会(1STP 2017)、8/24日午後にはこんなワークショップがあります。

8/24 15:30-17:00 
8/25 13:30-15:00  Room A302
[Workshop 3]
  Alternative concepts of self, body and mind from contemporary Japanese perspectives
[Organizer]
  Tetsuya Kono (Rikkyo University)
  Shogo Tanaka (Tokai University)
[Presenter]
  Tetsuya Kono (Rikkyo University)
  Shogo Tanaka (Tokai University)
  Takayuki Ito (International Research Center for Japanese Studies)
  Yu Inutsuka (The University of Tokyo)
 
この企画は、現代(に必ずしも限りませんが)日本のパースペクティヴからオルタナティブな「自己」と「心身論」を議論する趣旨のものです。河野先生、伊東先生とは2015年の京都カンファレンス、2016年の国際心理学会議と、2年続きでアジア的な心身観から自己をとらえなおす議論を続けているので、これが3回目になります。
 
近代的な「自己」のとらえかたは、そのベースに独特の心身の見方(二元論)を持っていて、それが個人主義的な発想や独我論的な心観と緊密に連動しています。しかも、こうした観点は心理学の根っこにある仮説的な見方にもなっています。では、日本的な、あるいは東アジア的な観点を取ることで、こうした自己の見方を刷新できるのでしょうか。また、そうだとして、それは現代の心の見方にどのような貢献をなしうるのでしょうか。こういった論点を考えるワークショップです。
 

 

2017年7月14日金曜日

国際理論心理学会での企画

来月8月下旬に開催される国際理論心理学会(1STP 2017)で、下記2件のシンポジウムを開催します。大会は1日のみの参加も可能ですから、ぜひ足をお運びください。会場は、立教大学池袋キャンパスです。詳しい大会案内ページは以下です。

[The 17th Biennial Conference of The International Society for Theoretical Psychology]

<1>
8/24 11:00-12:30  Room A1202
[Symposium 26]
  Quest for new methods in phenomenological psychology
[Organizer]
  Shogo Tanaka (Tokai University)
[Presenters]
  Darren Langdridge (The Open University)
  Tsuneo Watanabe (Toho University)
  Shogo Tanaka (Tokai University)
[Discussant]
   Masayoshi Morioka (Ritsumeikan University)

この企画は、現象学的心理学の新しい方法を考えるシンポジウムです。邦訳が刊行されている『現象学的心理学への招待』の著者、ラングドリッジさんをスピーカーに招いて議論します。インタビュー、当事者の記述、実験の持つ可能性を考察します。
 
<2> 
8/25 11:00-12:30  Room A1203
[Symposium 34]
  Focusing on the narrative self in human sciences
[Organizer]
  Kayoko Ueda (Kawasaki University of Medical Welfare)
[Presenters]
  Kayoko Ueda (Kawasaki University of Medical Welfare)
  Masahiro Nochi (The University of Tokyo)
  Shogo Tanaka (Tokai University)
[Discussant]
  Ken Nishi (Tokyo Medical University)

こちらの企画は、2016年7月末に明治大学で開催した「現象学と人間科学」のワークショップの続編です。昨年議論したときに、ナラティヴ・アプローチの問題点が浮上してきたので、今回は「ナラティヴ・セルフ」を主題にして人間科学と質的研究の基礎を再考します。こちらは植田先生にオーガナイズをお願いしました。

ちなみに田中は上記2件以外にも、シンポジウム1件、ワークショップ1件、という感じで合計4回登壇します。果たして大会終了まで私の体は倒れないでもつんでしょうか(笑


 

2017年7月5日水曜日

第80回心の科学の基礎論研究会

MLで告知が回っていますので、以下に同じ案内を貼り付けておきます。いずれの発表も、文字通り「心の科学の基礎論」をめぐる重要な講演になるものと思われます。例によって田中は帰国前なので参加できませんが…


 

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「心の科学の基礎論」研究会( 第80回)のご案内
表記の研究会を下記の通り開催いたします。奮ってご参加下さい。

【日時】2017/7/22(土) 午後1:30~5:30(午後1時開場)
【場所】明治大学駿河台キャンパス研究棟2階第8会議室
 http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

・趣旨 本研究会も80回目(21年目)を迎え、かつオープンアクセスジャーナル「こころの科学とエピステモロジー」創刊を来年に控え、特集「心理学のエピステモロジー」と銘打って以下の企画を行います。
・司会 渡辺恒夫(東邦大学/心理学・現象学)

・講演1 加藤義信(名古屋芸術大学/発達心理学)
【題】アンリ・ワロンの発達論の独創性に学ぶ:現代発達心理学の批判的捉え直しのために
【要旨】心理学は人文・社会科学の中で最も自然科学化が進んだ領域であると見なされている。その一つの下位分野である発達心理学も例外ではない。/第一線で活躍する多くの発達研究者にとって、研究するとは、英語の学術誌に掲載された論文を読み、そこで共有されている問題意識を自らのものとした上で、「科学的」であると受容される方法の枠内でデータを収集し、それらを論文に(できれば英語で)仕上げて投稿し新知見のプライオリティ競争に参加することと、今や同義である。しかし、発達研究において、自然科学と同様のこうした学問の「制度化」、さらには「国際化」が、あたかもアメリカを中心に地球規模で成立していると、本当に考えてよいのだろうか。発達研究が当該研究者(及びその研究者の所属する階級・社会・文化)の発達観・子ども観・人間観に深く規定されて一定のバイアスのもとにしか成り立たない学問であるとすれば、この領域における「自然科学的な学問共同体」の存在を無自覚に想定するのは幻想に過ぎない。/自戒を込めて言えば、発表者がこれまで行ってきた認知発達の実験的研究も、こうした研究スタイルと無縁であったわけではない。ただ、上記のような問題意識だけは若い頃から持ち続けてきたので、一方で、今や時代遅れとみなされる20世紀前半のフランス語圏の二人の発達のグランド・セオリスト、ピアジェとワロンにずっとこだわりながら、英語圏を中心とする発達研究に欠けた視点をそこから学び取ろうとしてきた。特に最近は、ワロンの発達論に含まれる幾つかのアイデアが現代の発達心理学に新たな地平を切り開く可能性を有していることに注目してきた。今回は、この点を中心に話題提供することにしたい。

・講演2 山口裕之(徳島大学/哲学・エピステモロジー)
【題】心の科学のエピステモロジー:現代心理学が暗黙のうちに前提とするものを探る
【要旨】現代の心理学は、「心」を対象とする科学である。そこには、丸ごとの人間に介入して結果を質問票などで測るといった研究だけでなく、何か作業をしているときに使う脳の領域をfMRIなどで測定したり、神経細胞の電気的反応を調べたりといった「脳の研究」も含まれる。/しかし、そもそも「心」とは何だろうか。心理学において研究されている「知覚」「知能」「情動」「態度」などといった概念は、普遍的に妥当する概念なのであろうか。心は脳と単純に同一視してよいものであろうか。/少しばかり近代哲学を読んでみると、現代の
心理学とよく似た主題が扱われていることがすぐにわかる。知覚の研究はデカルトやロックなどに含まれているし、コンディヤックなどフランス啓蒙思想には人間の発達段階に対する体系的な考察が含まれている。しかし同時に気づくことは、そこで使われている言葉が、現代の心理学用語とは異なっていることである。mindではなくsoul(フランス語ではâme)が、emotionでなくpassionが、それぞれ一見すると前者と同じ意味で使われている。attitudeやmotivationなどという言葉は見かけず、volontéがそれらと重なりながら大幅にはみ出すような含意で使われる。intelligenceは、大文字で書けば「神」のことである。全般的に言って、当時の心(soulないしâme)の議論には、キリスト教的な色彩が濃い。/現代の心理学は、そうした近代哲学の議論を換骨奪胎することで、「科学」の一分野となったのである。そしてそのとき、「心」に対する特定の見方が、暗黙の前提として立てられることになった。今回の発表では、近代哲学から心理学へ、何が受け継がれ、何が変容したのかを考えることで、現代心理学の「暗黙の前提」を探りたい。
 
・誰でも参加できます。申し込み不要、原則無料です。
・注意!研究会はお互いに学び合う場です。自説を声高に一方的に主張し続けるような行為は迷惑行為に当たりますので御遠慮下さい。また、本研究会は哲学の研究会ではないので、こころの科学と直接関係のない哲学論議もお控え下さい。
・心の科学の基礎論研究会に関しては、以下のHPをご覧下さい。
https://sites.google.com/site/epistemologymindscience/kokoro
・担当世話人:渡辺恒夫 東邦大学(psychotw[アットマーク]env.sci.toho-u.ac.jp