2024年8月30日金曜日

共著『生きられた身体のリハビリテーション』

先ほど担当編集者の方から刊行の連絡があったので、こちらでもご報告しておきます。

田中彰吾・本田慎一郎
協同医書出版社,2024年9月25日発売
  



















 
先ほど協同医書のホームページに掲載されたばかりです。いつもは出版社の公式ページに載るより早くアマゾンにページができるのですが、今回はアマゾンに勝ちました(笑 だいたいいつもゲラの校正をやっている段階でアマゾンにページができるのですが、本書は校正も終わっていますし書影も先に出ているので、完勝ですね。
 
今回は、作業療法士の本田慎一郎さんとの共著です。冒頭1/3ぐらいが第一部で、身体性と自己をめぐる田中のレクチャーになっています。残り2/3が第二部で本田さんとの対談で、第一部の内容を実践的に深められる構成になっています。

以下、部分的にホームページから転載しますが、
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『豚足に憑依された腕 -高次脳機能障害の治療-』の著者、セラピストの本田慎一郎と、『生きられた〈私〉をもとめて -身体・意識・他者-』の著者、哲学者の田中彰吾によるリハビリテーションと現象学との実り豊かなコラボレーション!
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まさにこういう内容の本です。

生きられた身体、身体図式と身体イメージ、ミニマルとナラティブ、エナクティビズム、間身体性など、現象学とリハビリテーションを結ぶうえで重要なキーワードになりそうなポイントをめぐって対談が進展しています。ちょうど、JST-CRESTのプロジェクトで、認知神経科学・リハビリテーション・現象学を結ぶ「ナラティブ・エンボディメント」が進行中ですので、その最初の成果と言ってもいいかもしれません。
 
ところで、本田さんとの出会いは2018年の認知神経リハビリテーション学会に遡ります。懇親会でたまたまご一緒してあれこれ話し込んだのが最初だったのですが、セラピストになるまで&なってからの本田さんの過去の経緯を聞いているうちに不思議な感慨を覚えました。私は彼とは表面上はまったく違う人生を送ってきたのですが「ああ、あの時自分もこの選択ではなくあの選択をしていれば彼のような人生を過ごすことになっていたのではないか〜」という感慨です。言ってみれば、「このような生き方をすることもありえたもう一人の私」ですね。

本田さんの質問によって、リハビリテーション領域の皆さんにとって普段は聞きなれない哲学の概念がかなりわかりやすく伝わる構成になっているのではないかと思います。逆に現象学にとっては、それが生きた哲学になるかどうかが試される現場こそリハビリテーションにあるように思います。

どうぞお楽しみに。

2024年8月7日水曜日

書評が出ました(『身体と魂の思想史』)

拙著『身体と魂の思想史』を毎日新聞の書評で取り上げていただきました。

毎日新聞・今週の本棚

歴史家に拙著を取り上げていただいて恐縮です。見出しには「現代人の茫漠たる不安感を示す」とあります。第5章で取り上げた身体イメージの問題に注目すると、確かにそういう標題の付け方になるのかもしれません。

7月27日に書評として掲載されていたそうですが、著者自身にはどこからも連絡がなくてこの件については知らず、たまたま仕事のslack上でつながっているある先生に数日前に教えてもらった次第です。さっそく有料記事に会員登録してアクセスして中身を読んでみました。なるほど、古代ローマ史の大家である本村先生の目にはこのように映ったのか〜、という感想。キリスト教文化圏の霊肉二元論に関連づけて、現代の心身論の位置を論じられていました。本文よりも射程の大きい議論の中に拙著を位置づけていただき、ありがたい限りです。

おかげさまで、今のところ堅調に売れているようです。昨日たまたまアマゾンのページを見たら「講談社選書メチエ」の枠でランキング1位になっておりました。カスタマーレビューも比較的好意的なもののようです(今のところ、かもしれませんが)。

新聞といえば、いつもお世話になっている東海大学新聞の川島さんにも、本書について記事を書いていただきました。ホームページ掲載バージョンへのリンクを貼っておきます。

こちらは東海大学の創立者、松前重義の建学の理念にも言及して本書を紹介してくれています。確かに、ニーチェが「大きな理性」という言葉に託して考えようとした身体の智恵は、松前さんが考えていたことにも一脈通じているような気がします。

というわけで、引き続き本書を紐解いていただければ幸甚です。