2019年4月24日水曜日

プロジェクション科学における身体の役割 (田中 2019)

こんにちは。前回の投稿からあんまり時間が経っていないので「やったー」と早めの更新を喜んだのですがすでに2週間も過ぎていたのですね…

今回は新しい論文が出ました、という報告です。『認知科学』のVol.26, No.1がプロジェクション科学の特集を組んでいるのですが、その一部として掲載していただきました。2017年12月に認知科学会の冬のシンポジウムがあり、そのときの主題がプロジェクション科学だったのですが、そのさいに話したことを論文化したものです。

内容は、ラバーハンド錯覚の意味を考え直し、フルボディ錯覚の再解釈を試みています。フルボディ錯覚は方法が二つあって、その二つが研究者のあいだでもやや混同されて論じられることがあるのですが、その違いについても触れてあります。また、そもそもフルボディ錯覚って身体の外部に自己が「乗り移る」ような感じとは違いますよ、という点についてもちゃんと考えました。

学会のジャーナルなのでそのうちJ-STAGEでも公開されると思いますが、昨日論文のPDFファイルをいただいたので一足お先にここで公開しておきます。

田中彰吾 (2019).「プロジェクション科学における身体の役割-身体錯覚を再考する」『認知科学』26(1), 140-151.

ご笑覧くださいませ。
 


2019年4月10日水曜日

お知らせ2件

前回の投稿から再度あっという間に1月たってしまいました。
 
この間、デンマーク出張&国際シンポジウム開催、レビュー論文の修正、出版社と打合せ、インゴルドのシンポ、大学の年度末業務、英文ジャーナルの査読、フックス読書会、大学の年度始め業務、単著の執筆、英文共著論文の修正、などなどをこなしていました。こうやって忙しく立ち回っていると、年度末や年度始めであっても、どこか気持ちのけじめがつかないので困ったものです。
 
ところで、このブログ上で告知したいことが2件あります。
 
その1。昨年度の認知神経リハビリテーション学会で講演させていただいたのを機に、その方面の関係者の方々とより議論を深める機会を折に触れて持つようになりました。その延長で、来月から「身体性リハビリテーション研究会」という名称で新たな研究会を不定期に開催します。臨床現場での身体性に深入りする場面が多くなりそうなので当面クローズドな集まりになりますが、リハビリと現象学、身体論に関心のある方はお問合せください。
 
その2。これまでの執筆者と査読者としての経歴を買われて…なのかどうかわかりませんが、哲学的心理学と理論心理学の国際ジャーナル『Theory & Psychology』のEditorial Boardとして加わることになりました。心の哲学や心理学の基礎論に関心のある方は、ぜひご寄稿ください。小さいですがインパクトファクターもちゃんとあります。日本ではこの分野の市場がいまだに小さいのですが、国際的にはそこそこの規模はあります。International Society for Theoretical Psychologyに参加されるとよくわかりますよ。
 
では、また。