2022年12月12日月曜日

第3回人間科学研究会 (12/17オンライン)

以下の日程で第3回人間科学研究会を開催することとなりました。今回は、教育学から村井尚子先生、看護学から西村ユミ先生をお招きして、それぞれの分野における現象学と質的研究についてご講演いただきます。年末のお忙しい時期と存じますが、どうぞ奮ってご参加ください。

日時:2022年12月17日(土),14:00〜17:15

Zoom開催(ミーティングIDは田中までお問い合わせください:shg.tanaka@gmailcom)


<プログラム>

14:00〜15:30 講演1

「教育的タクトの涵養――共感性を手がかりとして」村井尚子(京都女子大学)

要旨:今回の発表では、ドイツ教育学において長年議論されてきた教育的タクトをどのようにすれば養成できるのかを、まずはヴァン=マーネンの所論を援用しながら考えていきます。最初に、ヴァン=マーネンの来歴とオランダのユトレヒト学派の現象学からの影響について概観し、次に彼の教育学研究の主要テーマである「教育的タクト」について事例を用いつつ分析します。ヴァン=マーネンは教育的タクトが涵養可能という立場を取りながらも、その具体的な方途については詳細には触れていません。そこで本発表の後半では、共感性の涵養という視点からこの問題にアプローチしていきたいと考えています。

15:45〜17:15 講演2

「現象学を手がかりとした質的研究とは?――課題と可能性を考える」西村ユミ(東京都立大学)

要旨:現象学を手がかりとした質的研究には、多様なものがある。これまで、心理学や看護学等において多様な方法が紹介され、数多くの研究成果も報告されてきた。しかし、人間諸科学には其々の研究文化があり、研究方法もその文化に左右されて構築されている。哲学者のDan Zahaviは、一方で、現象学を導入した人間諸科学の幾つかの方法に対して厳しい指摘をし、他方で、現象学を参照した研究の可能性に言及している。本発表では、これらの指摘を引き受けつつ、現象学的研究の可能性について提案する。


*本研究会は科研費(20H04094,21K01989)の助成を受けて開催されます