2020年2月27日木曜日

レジュメ追加 (他者のような自己自身)

2019年度秋学期の大学院ゼミでポール・リクール 『他者のような自己自身』を読み始めました。リクール 、考えていることは面白いのですが、文体と思考がまわりくどく遅々として進んでいかないので、読むのに骨が折れます。途中から大学の同僚でフッサール研究者の村田憲郎先生が加わってくれて、一緒に議論しながら読み進めることで、だいぶ深く読み込めるようになってきました。

研究アーカイブのページにここまでのレジュメをアップしてあります。
序言
第3研究
第4研究

ちなみに、村田先生と私のペアで現象学を学べる環境は、なかなか得難いかもしれません。現象学、エナクティヴィズム、ナラティヴ論など、リクールに触発されていつも議論が広がっていきます。メンバーが増えていくとかなり面白い議論の場になっていきそうです。次の学期も時間を取って続ける予定ですので、関心のある方は遊びにきてください。
 
た 


2020年2月25日火曜日

エンボディードアプローチ研究会 (3/25 東海大学)

新型コロナウィルスの関係で開催できるかどうか微妙ですが、来月25日に研究会を予定しています。オランダから社会心理学の若手研究者トム・フラインス(Tom Frijns)さんが来日されるので、それに合わせてエンボディードアプローチ研究会を開くことにしました。状況によって彼の来日が中止になれば、研究会も中止にせざるを得ないだろうと思います。

以下、ご案内です。無事に開催できるとよいのですが、どうなることやら…。
  
----------------
第9回エンボディードアプローチ研究会

第9回のエンボディードアプローチ研究会は、トム・フラインス氏(ユトレヒト大学講師・社会心理学)をゲストにお招きして実施します。テーマはシンクロニーです。二人以上のひとが集まって会話をはじめとする社会的相互作用を行うとき、そこでは、さまざまな同期が生じています。同期は、非言語行動のような身体的レベルのものから、脳活動の同期のように神経生理学的レベルのものまで、多元的に生じています。午前の部では、嶋田総太郎氏(明治大学・認知神経科学)のご講演を含め、シンクロニーについて概括的なレクチャーを行います。午後の部では、フラインス氏によるレクチャー+ワークショップを行います。

日時:2020年3月25日(水),10:30-17:00
場所:東海大学湘南キャンパス,19号館3階・307教室

プログラム
10:30-11:30
 Shogo Tanaka (Tokai University) 田中彰吾(東海大学)
 “Intercorporeality and social understanding”
11:30-12:30
 Sotaro Shimada (Meiji University) 嶋田総太郎(明治大学)
 “Inter-brain synchronization in social interaction”
12:30-14:00 LUNCH
14:00-15:30
 Tom Frijns (Utrecht University)
 Tom Frijns & Tom Sloetjes (Utrecht University)
 トム・フラインス&トム・スローティエス(ユトレヒト大学)
 “Active synchrony as a means of enhancing students’ willingness and ability to work together” 
 (combined presentation and workshop)
15:30-16:00 COFFEE
16:00-17:00
 Discussion:全体討論
 
問合せ先:田中彰吾(東海大学 body_of_knowledge@yahoo.co.jp)
----------------

 

2020年2月13日木曜日

電子書籍化『身体の知』

2015年に紙版で刊行された以下の書籍が電子化されたそうです。紙版3960円に比べてキンドルは2500円なのでけっこうお買い得かも。
 
田中も1章寄稿しています。
田中彰吾「心身問題と他者問題-湯浅泰雄が考え残したこと」(pp. 134-154)

湯浅先生は心身問題を他者問題と適切に関連させて考えることをしていなかったと思います。そのため、湯浅先生の他者論は、現在の「心の理論」が陥っているのと同じような理論的問題を含んでいます。この点を考え直すには「間身体性」を考える必要がありますよ、というのが拙論で指摘したことです。心身論と他者論どちらにも関心のある人向けの論考になっております。
 
 

2020年2月5日水曜日

研究会案内 (2/20 東海大学)

2019年度から本格的に始まった身体性リハビリテーション研究会ですが、次回は2月20日(木)に開催します。

第3回身体性リハビリテーション研究会
2020年2月20日(木) 14:00〜17:00
東海大学湘南キャンパスにて

密な議論を優先する形式でやっていますので、現状ではまだクローズドな方式で開催しています。基本的には、中枢神経系の各種の疾患にともなう運動障害を扱っている理学療法士さんたちが集まって議論することで、リハビリテーションの現場で遭遇する運動障害について、現象学的な理解を深めようという目標で開催しています。ご関心のあるセラピストさんはお問い合わせください。

ちなみに、ただいまリハビリテーション方面の専門家に向けて、ある出版社が企画する共著ものの企画にかかわっています。ようやく原稿を三分の二ぐらい書き終えたところです。順調に進めば今年刊行されるでしょう。
 

 
*2020/2/19 追記
新型コロナウイルスに関連する状況の変化を受けて、第3回研究会の開催は当面延期することになりました。新たな日程については、今後の状況の推移を見ながら関係者のあいだで調整します。