2024年7月5日金曜日

いろんな反響

また例によって更新できないまま1月ほど経過してしまいました。

この間、前回記事でお知らせした単著『身体と魂の思想史』が発売され、各方面からいろいろな反響をいただいています。著者宛にメールで寄せられる意見ですから基本的には好意的なものばかりなのですが(ありがとうございます!)、それらを読んでいて内容の違いに気づきました。みなさん強く反応する章が違うのですね。序章に記した私自身の緘黙の体験に反応する方、第5章の身体イメージ論に反応する方、第2章のライヒとボディワークに反応する方、第3章の実存主義的な生に反応する方、さまざまです。

読者の知識と背景に応じて読みやすさや惹かれやすさが違うのかもしれませんし、それぞれの章に違った味わいがあるということかもしれません。私としては、自身のこれまでの研究史をたどったものなので、どの章にも同じように思い入れがあります。後書きに書いた通り、この本は「スマート」ではなく「ワイズ」であるための書です。ワイズであることは、みずからの身体を生きることに他なりません。読後感を手がかりに読者自身がそれぞれの身体をより深く生きてもらえれば、と願うばかりです。