5月15日に京都大学学術出版会より『神の生成』が発売されました。
人類がアフリカ大陸(さらにはユーラシア大陸)を出て未知の領域へ広がっていくとき、世界を秩序づけるために必要とした「生存技法」――それが宗教であり、神の認知でした。本書はこの壮大なテーマに、考古学、人類学、そして認知科学のクロスオーバーで迫る刺激的な一冊です。
この中で私は、第2章「身体科学からの神認知」を担当しました。「神」という目に見えない存在を、私たちはなぜリアルに感じ、社会の基盤に据えることができたのか。私はその謎を、私たちの「身体」の仕組みから考えてみました。
ヒトの身体が持つユニークさ、そこから立ち上がる自己意識、そして「自己の中に最初から入り込んでいる他者」の存在――。身体性と間身体性のメカニズムを丁寧に追っていくことで、最終節ではサピエンス特有の「神の認知」へと論理がつながる構成になっています。
壮大なテーマなので書き切れてはいませんが、「神」について論文レベルで考えたのはこれが初めてです。身体性認知から解き明かすには自己意識との対で「神のような他者」を考えるしかないかな、というのが暫定的な結論になっています。
後半の章で語られる、日本、オセアニア、アンデスやマヤの生々しい祭祀や神々の姿を、「人間の身体のリアリティ」という補助線を持ちながら読み解くための架け橋となる章になっていれば幸いです。
ぜひご一読ください。
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