2026年6月24日水曜日

Tanaka (2026) "Aidification of the Self"

このたび、新しい論文が出版されました。


近年、生成AIの発展によって、「AIに意識はあるのか」「AIは自己を持ちうるのか」という問いが盛んに議論されています。しかし、その多くは、人間の自己をモデルとして、機械の内部に自己や意識を探そうとする立場に立っています。本論文では、こうした見方に対して、別の視点を提案しています。

私たちの自己は、他者との相互作用を通じて形づくられ、世界との関係のなかで変化し続けています。とりわけ、自分の顔を直接見ることができないように、私たちは他者のまなざしを通じてはじめて、自分自身を知ることができます。機械(フィジカルAI)の自己もまた、機械の内部に閉じたものではなく、人間との関係のなかで生まれるのではないでしょうか。

本論文では、この考え方を 「Aidification(あいだ化)」 という造語で呼んでいます。Aidificationとは、人間とAIが相互作用を重ねるなかで、両者が共有する現実を形成し、その過程で新しい自己や知性が生み出されていくプロセスを意味します。

本論文で私が最も強調したかったのは、「自己は機械の内部にあるのではなく、人間と機械の「あいだ」に生まれる」ということです。人間とAIが互いに影響し合いながら、新しい自己、新しい知性、そして新しい世界を共につくっていく――そのような可能性を本論文では探究しています。

アイデアは萌芽的ですが、フィジカルAIの未来を考えるうえで重要な論文になってほしいという願いがこもった論文です。上記リンクからPDFをダウンロードできますので、ぜひご覧あれ。

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