こんにちは、田中彰吾(東海大学文化社会学部教授/大学院文学研究科長/文明研究所所長)です。身体性に関連する哲学と心理学を研究しています。各種お仕事のご連絡はshg.tanaka@gmail.comまでお寄せください。
2022年9月15日木曜日
研究所イベント:Embodied Spirituality (9/23)
2022年9月7日水曜日
学会イベント:心理学会シンポジウム② (9/8-10/11)
連投ですいません。引き続きイベント案内です。こちらもオンデマンドで公開期間が長いので1ヶ月以上にわたっていつでもご参加いただけます。
日本心理学会第86回大会 (9/8-11, 延長公開9/12-10/11)
公募シンポジウム「SS-002 現象学から始まる心理学史と心の哲学史」
企画代表:渡辺恒夫(東邦大学)
話題提供1:村田純一(東京大学)
話題提供2:長滝祥司(中京大学)
話題提供3:田中彰吾(東海大学)
指定討論:境 敦史(明星大学)
こちらは年末ぐらいに講談社選書メチエの一冊として発売予定の『心の哲学史』の執筆メンバーによる企画です。渡辺先生と村田先生が編集の一冊で、フッサール現象学・ブレンターノ・ゲシュタルト心理学の関係まで遡って、オルタナティブな心理学の歴史を探るものになっています。この本、内容がかなり充実した一冊ですし、心理学の歴史と理論に関心のある人々にとっては面白く読んでいただけるものになると思います。
で、このシンポジウムもすでに録画した動画を大会サイトにアップしてあります。時間の都合で指定討論にお答えする時間が十分になかったので、大会期間中に書き込む予定です。最後までご覧いただくと、実験であれ質的研究であれ、現象学から出発すると同じ方向性の心理学研究に収斂する未来が垣間見えるのではないかと思います。皆さまもぜひ議論にご参加いただければ。
学会イベント:心理学会シンポジウム① (9/8-10/11)
引き続きイベント案内です。こちらはオンデマンドで公開期間が長いので1ヶ月以上にわたっていつでもご参加いただけます。
日本心理学会第86回大会 (9/8-11, 延長公開9/12-10/11)
公募シンポジウム「SS-009 ナラティブ・セルフをどう研究するか?」
企画:田中彰吾
話題提供1:田中彰吾(東海大学)
話題提供2:嶋田総太郎(明治大学)
話題提供3:村田憲郎(東海大学)
指定討論:宮崎美智子(大妻女子大学)
こちらはすでにメンバーのみのオンラインでシンポジウムを行い、録画した動画を大会サイトにアップしてあります。過去20年のあいだに蓄積されてきた身体性に基づくミニマル・セルフ研究の知見をもとに、どのようにそれを「ナラティブ・セルフ」研究へと拡張すればいいかということを議論しています。話題提供1〜3、指定討論までをご覧いただくと、すべての話題が有機的に噛み合っていることがわかっていただける内容になっていると思います。
ナラティブ・セルフをめぐって実験研究を模索している方にはぜひご覧いただきたい内容です。大会参加して、上記リンクのサイトにアクセスするとコメントを書き込めますので、ぜひ議論にご参加ください。
学会イベント:認知科学会シンポジウム (9/8)
直前のご案内ではありますが、明日以下のシンポジウムに登壇します。 オンラインで非会員も参加できますからぜひ。
9月8日(木) 16:20-18:30 大会企画シンポジウム
「心と身体,脳,社会:心の科学をめぐる哲学者との対話」
講演者:田中 彰吾(東海大学)
嶋田 総太郎(明治大学)
鈴木 貴之(東京大学)
川合 伸幸(名古屋大学)
長滝 祥司(中京大学)
鈴木 宏昭(青山学院大学)
指定討論者:横澤 一彦(筑波学院大学)
司会:高木 光太郎(青山学院大学)
今回は東京大学出版会から刊行される「認知科学講座」全4巻シリーズのお披露目も兼ねてのイベントです。
認知科学講座1:心と身体(嶋田総太郎編)
認知科学講座2:心と脳(川合伸幸編)
認知科学講座3:心と社会(鈴木宏昭編)
認知科学講座4:心をとらえるフレームワークの展開(横澤一彦編)
このシリーズの特徴として、1巻〜3巻まで、最後の章をそれぞれ哲学分野の研究者が執筆していることがあり、それぞれの編者と最終章の執筆者が上記シンポジウムの講演者を務めます。認知科学の現在地と将来の方向性を模索するうえで、刺激と示唆に満ちたシンポジウムになることと思います。私自身、議論に参加できるのを楽しみにしています。
2022年8月11日木曜日
もうすぐ刊行です (認知科学講座1:心と身体)
相変わらずぜんぜんブログを更新できないまま時間だけが過ぎていきます…が、研究活動はいろいろと進行中です。
今回はもうすぐ刊行される共著本のご案内。
嶋田総太郎編 (2022)『認知科学講座1:心と身体』東京大学出版会
序 身体性認知科学から「ポスト身体性」の認知科学へ(嶋田総太郎)
1 自己認識――身体的自己と物語的自己(嶋田総太郎)
2 身体性認知科学における言語研究の射程(佐治伸郎)
3 思考・創造とエンボディメント(阿部慶賀)
4 心と身体を結ぶ内受容感覚――感情と記憶から考える(寺澤悠理)
5 身体表象と社会性の発達(宮崎美智子)
6 知能・身体・関係性(長井隆行)
7 バーチャルリアリティによる身体拡張と自己の変容(鳴海拓志・畑田裕二)
8 身体性に基づいた人間科学に向かって(田中彰吾)
2022年7月13日水曜日
イベント案内(顔身体学)
…またまたブログを更新できないまま時間だけがあっという間に過ぎていますが、今回はイベントの告知を。科研費・新学術領域研究「顔身体学」で近く以下2件のイベントがあるそうです。以下、ご案内。
1)2022年7月30日17:30〜20:00
公開シンポジウム「パラリンピアンを迎えてー顔身体学の観点からパラリンピックを考える」
2022年6月22日水曜日
信原幸弘『情動の哲学入門』
この4月以降、ブログを更新する時間がぜんぜんありません。…が、とにかく今日は1件記事をアップします。記事といってもとくに中身はなく、読書会のレジュメをアップしました、という報告です。
信原幸弘(2017)『情動の哲学入門-価値・道徳・生きる意味』勁草書房,第一部
昨年度末にリクール『他者のような自己自身』を読み終えて、いまはこの本を同僚の村田憲郎氏と一緒に読書会で読んでいます。情動を「感じる」という身体的感受の経験のレベルで捉え直しつつ、それを道徳や物語と絡めて論じていて、いま私自身が取り組んでいるナラティブ・セルフの問題に直結する内容を扱ってくれています。
やっぱり、ミニマル・セルフとナラティブ・セルフを結ぶには、とくに身体性の観点を残したままそうするには、情動の問題を避けて通れないようです。このあたりはいずれ理論的にきっちり整理して論じます。
では、また。
2022年5月25日水曜日
田中・森 (2022)「間身体性から見た対面とオンラインの会話の質的差異」
お知らせです。田中も編集委員として参加している雑誌『こころの科学とエピステモロジー』の第4号が刊行されました。今回は私も原著論文を書きました。科研費のプロジェクトで数年ご一緒してきた札幌学院の森直久先生との共著です。対面とオンラインの会話について、観察研究をおこなった結果をまとめてあります。皆さんも対面とオンラインの違いは気になると思いますが、身体的な相互作用に着目して両者の違いを比較しています。
田中彰吾・森直久「間身体性から見た対面とオンラインの会話の質的差異」
対面とオンラインの会議、どちらにも長所があると思いますが、場面に応じた使い分けを考えるうえでの一助にしていただければ。「5.考察」から先に読んでいただけるとポイントが手っ取り早く分かります。
どうぞご覧ください。
2022年5月10日火曜日
大学新聞に載りました
前回の投稿からあっという間に1月以上…。年度が変わって押し寄せる新たな仕事に対応しているうちに時間はどんどん過ぎ去ります。放っておくとこのまま更新できずに何ヶ月も経ってしまうかもしれないなぁと思ったのでとりあえず投稿します。
GW開けに大学に行ったらメールボックスに5/1版の大学新聞が届いていました。4月に拙著の件でインタビューを受けたのですが、それを東海大学新聞の川島省子さんが記事にしてくださいました。
2022年4月6日水曜日
遅れましたがご挨拶です
先ほどの記事で肩書きが変わっているのに気づいた方もおられるかもしれません。申し遅れましたが、先の4月1日から東海大学の中での所属が変わりましたのでご報告します。
このたび「文化社会学部」に異動となりました。また同時に「文明研究所所長」を拝命しました。
学部に異動しても担当授業が大きく変わるわけではないのですが、研究所の所長職は新たな挑戦になります。東海大学の文明研究所は、学内に設置されている付属の研究所では最も古く1959年に設置されています。しかも、初代の所長は大学の創立者の松前重義氏でもあります。身の引き締まる思いとはまさにこのことですね。
東海大学はもともと工学系の大学として技術者を多く輩出してきたのですが、創立者の松前氏は「文理融合」を大切にして、科学技術の発展だけでなく「調和のとれた文明社会の創造」を企図して文明研究所を設立したのでした。
新しい所長として、伝統を大事にしながらも、新しい試みをどこまで取り入れることができるか、当面のあいだは苦闘の日々が続きそうです。現状でも学内外といろいろな連携の試みがなされているこの研究所ですが、もっともっと学外で知られるように今後いろいろな工夫を凝らしたいと思っています。
どうぞ、よろしくお願いします。
ご紹介:金子書房 note「オンラインで他者と…
心理学関係の書籍で有名な金子書房さんがウェブ上で「note」をいろいろと公開されています。このたび、私も以下の記事を寄稿いたしました。
「オンラインで他者とつながる時に大事なことは?」というタイトルで少し漠然としていますが、でも大事なことが本当に書いてあります。オンラインシステムを使うと身体性のレベルでコミュニケーションの質が変わりますが、それを補うものってなんだろう、という視点を共有していただけると幸いです。
ぜひご一読ください。
2022年4月3日日曜日
五年ぶりの単著
三月の下旬に単著が無事刊行されました。
田中彰吾『自己と他者-身体性のパースペクティヴから』東京大学出版会
本書は、シリーズ「知の生態学の冒険:J・J・ギブソンの継承」全9巻の第3巻になります。当初は「知の生態学的転回」というシリーズ名称で企画が始まったので、「ギブソンの継承」という色合いは本文ではやや弱いのですが、それでもメルロ゠ポンティの現象学とギブソンの生態心理学を融合して自己と他者の社会的関係を考察する試みになっています。
せっかくなので、最初に本書の企画書として提案した概要を以下に掲載しておきます。
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【概要】
身体を与えられることで「私」はこの世界に生を受け、また、身体を通じて他者と社会的にかかわりつつ「私」はその姿をさまざまに変化させている。
本書では、身体性に関連する認知科学・神経科学のさまざまなトピックを検討しながら、自己と他者、そして両者の身体的な相互作用について現象学的に考察する。取り上げるのは、幻肢やラバーハンド錯覚のように特殊な体性感覚をともなう現象、道具使用やブレイン・マシン・インタフェースのように身体性の拡張に関連する現象、新生児模倣や共同注意のように発達初期に他者との相互行為を通じて現れる現象、幼児のふり遊びのように身体性とナラティヴが連続的に現れる現象などである。
これらはいずれも、近年の認知科学や神経科学の進展にともなって、身体性に着目する文脈で研究上の知見が多く蓄積されてきた現象である。その一方で、そこでもたらされた知見は、身体や他者の問題を直接経験にさかのぼって検討することを重視するフッサール以来の現象学の伝統にも、多くの刺激を与えてきている。本書で取り上げるトピックには、私たち誰もが経験しうる身近な現象も、実験状況でしか経験できない特殊な現象も含まれるが、「それが当人にとってどのように経験されるのか」という側面に踏み込んで、現象の意味を理解することを重視する。
問題となる現象を、みずからの経験としてたどり直すことができるくらい密着して理解を試みれば、因果関係や相関関係にもとづく通常の科学的説明を超えて、身体性、自己と他者、間主観性の経験について、新たな理解をもたらすことができるだろう。本書が目標とするのは、主観的経験を脳内過程に還元するのではなく「脳-身体-環境」というエコロジカルな連続性のもとで理解すること、また、対人関係を中心とする社会的環境を中心にして「環境」を描きなおすことである。
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2022年3月20日日曜日
リクール『他者のような自己自身』第10研究
ついに最後の章を読み終えました。村田憲郎氏作成のレジュメを公開しておきます。
長かった…。邦訳の本文が438ページあります。リクールはこの長さでも3巻本(『時間と物語』のような)を書いてしまうような人なので、長いことは最初から織り込み済みではありましたが、それにしても本文が長いので読むのに時間がかかりました。ブログの過去記事を当たってみたら2019年の11月から読み始めたのでかれこれ2年半近く読み続けたことになります。
じっくり時間をかけて隅々まで熟読した本なので簡単に要約はできませんが、「自己」というテーマを巡って世界についてありとあらゆることを書いてあるという体裁の本です。それこそ、物体と人物の違い、出来事と行為の違いから始めて、行為する主体が現れ、行為する主体が語る主体となり、語る主体がさらに物語的自己同一性を持ち、物語的自己が他者とともに生き、他者とともに生きる中で倫理的な生き方を制度的な正義として追及するまでの壮大な世界観が論じられています。そして、そうした世界観を経て最後にもういちど「自己」の存在とは何かということが論じられます。
じつは、読み終えた今ももやもやとした感じが読後感として残っています。リクールの文体の特徴なのでしょうが、一つのテーマを巡ってああでもないこうでもないと議論が展開していき(良く言えば「弁証法的」ですが)、うまく着地しないままさらに大きなテーマに議論が続いていくという書き方なので、最後まで読んでもやっぱりオープンエンドな印象が拭えないのでした。なお、このもやもやは、私の中でこれからいろいろな仕事を手がけていくうちに少しずつ解消され、その度に文章になってくるだろうと思います。
なお、リクールは適度に保守的な思想家だと思います。この「適度に保守的」なところが、彼の思想をとても今日的にしているように思います。ポストモダン思想や思弁的実在論と誰か比べて論じてくれないかなぁ。
2022年3月9日水曜日
パラリンピックを学際的に読み解く(3/19 オンライン)
ずいぶんご無沙汰しております。イベントの告知があるので久しぶりに書き込みますね。
3月19日(土)、15:20-16:50、オンライン開催です。
「パラリンピックを学際的に紐解く」


